2015年3月28日土曜日

ファインメット・ライントランス

ライントランスの役割は凄い。IV変換、差動合成、GNDアイソレート、増幅、インピーダンス調整等、これらを電源なしでこともなげにやってくれる。電源も回路もICも抵抗もコンデンサも基板も不要。ただただ繋げるだけだ。

中でもファインメットワールドのライントランスは、低域から高域までノイズなくフラットに出力してくれる優れものだ。もちろん音質は最高である。代表的なものに0615と1595がある。0615は中域が濃厚で艶のある音が特徴で、これでボーカルなど聴くと堪らない。一方1595は中高域の伸びが気持ちいい。もちろんどちらも低域も中域も高域もしっかりと出ていて美しく力強い。どちらがいいかは好みの問題だ。

TLT-0615(600Ω:15kΩ)

TLT-1595(15kΩ:95kΩ)


ただし、実際に使用する際には、インピーダンス比には気をつけなければならない。インピーダンスがほぼ0になるオペアンプを使ったIV変換や差動合成回路を使っていないので、DACのインピーダンス比がそのまま倍増されるからだ。

1595は、そのまま使えば1:6.3で、DACが5kΩならアンプへの出力インピーダンスは31.5kΩになる。アンプの入力抵抗が47kΩなのでなんとか受けることができる。

しかし0615はそうはいかない。インピーダンス比が25倍と高いのでDACが5kΩだと125kΩとなって半導体アンプでは通常受けきれない。

そこで0615を使う場合は、逆接で使う。そのまま逆接すると増幅率(=巻線比)が20%まで落ちるので、2次側は両端を使わず巻線比が半分になるよう中点で接続する。これでインピーダンス比は16%、DAC5kΩで0.8kΩと大幅に落とすことができる。増幅率も40%程度で抑えられる。


この他に1010というのもある。これは巻線比もインピーダンス比も1:1なので非常に使いやすい。音質も最高なのでお勧めだ。

頒布先
http://tackbon.blog.jp/

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